今月の言葉 与えても減らぬ親切残る徳
気になったお経や、俳句、川柳、短歌などを紹介しています。
今月は、

「与えても減らぬ親切 残る徳」
という言葉です。
意味は、
「心はいくら施しても減ることはなく、むしろ功徳が残る」
ということですね。
仏教では、施すという行為は功徳を積むための立派な修行の一つとされています。
とはいえ、目に見えるものであるお金や食べ物などを施すことには、減ってしまうことへのためらいや、そもそもその余裕がないという事情もあるでしょう。
だからこそ、目に見えないからこそ減る心配のいらない、また誰もが持ち合わせててもいる、「心を施す」ということが大切です。
ただし、ここで気をつけつけたいのは、見返りを求めないということです。
なぜなら、見返りを期待するということは、私達が不満を抱くことにも繋がるからです。
例えば、誰もが親切にしたときに「ありがとう」と言ってもらった経験があると思います。
もちろん、それは嬉しいことであり、良いことです。
しかし一方で、「ありがとう」の一言がもらえなかったことで、不満を抱いてしまった経験もあるのではないでしょうか。
たとえ求める見返りが、ほんの一言の感謝であっても、それが得られないことで不満を抱いては、やがては心を施すこと自体が難しくなってしまいます。
だからこそ、心を施すということは、見返りを期待するものではなく、功徳が残るものだという捉え方が大切です。