梅雨と雨安居
6月を迎え、いよいよ梅雨の季節となりました。
梅雨と言えば本州のイメージでしたが、最近では蝦夷梅雨という言葉もチラホラ聞こえます。
北海道も例外ではなく、梅雨は既に全国的なものなのかもしれません。
洗濯が滞ったり、せっかくの外出が台無しになってしまったりと、何かと嫌われがちな梅雨ですが、恵みの雨という言葉があるように、あらゆる生き物にとって雨はとても大事なものです。
特に、植物にとってはそのまま栄養となり、また、その植物を食べて生きる虫などの小さな生き物にとっては、梅雨は待ちに待った季節と言えるでしょう。
仏教には、このような梅雨などの長雨の時期に行われる、「雨安居(うあんご)」と呼ばれる特別な過ごし方があります。
雨の間、お寺やお堂に籠って修行することで、なるべく外出しないようにするのが雨安居です。
その目的は、この時期に活発になる植物や、小さな生き物たちを踏んでしまったり、傷つけてしまわないようにすることで、あらゆる生き物の命を大切にする、仏教の慈しみの心から生まれた習慣と言えます。
梅雨の時期をはじめ、なかなか思うように外出することが出来ないときは、そのぶん生き物を傷つけずに済んだと思い、慈しみの心を大切にしましょう。