日常勤行式のお話⑬~一枚起請文の続き~
前回から引き続き一枚起請文のお話です。
一枚起請文には、法然上人がお亡くなりになる2日前のお言葉が記されております。
法然上人の遺言でもある一つ一つのお言葉は、どれもが尊い教えではありますが、なかでも重要なお言葉は、
「ただ一向に念仏すべし」
というお言葉です。
意味は、
「ただひたすらにお念仏をお称えしましょう」
となります。
南無阿弥陀仏と口に称える、たったそれだけで極楽に行くことが出来るのはありがたい事です。
しかし、こんなに簡単なことだと、本当にこの方法で良いのかと疑ってしまったり、もっと大事なことを隠しているんじゃないかと不安になったりしてしまうのが私達です。
ついつい物事を難しくとらえたり、些末なことを気にしたりしてしまう私達。
それも、生半可な知識を得れば得る程、そのような傾向が強くなってしまいます。
その結果、南無阿弥陀仏とお称えすれば極楽に行けるという、お念仏の教えを信じることが出来ません。
だからこそ法然上人は、ただひたすらにお念仏をお称えしましょう、と仰る訳です。
難しいことや細かなことは気にせず、また、生半可な知識でお念仏の教えを判断することなく、ただひたすらにお念仏をお称えすることがお念仏を信じることに繋がり、それが極楽への近道となります。