日常勤行式のお話⑳~送仏偈~
今回で20回目を迎えた日常勤行式のお話も、いよいよ最後のお経となりました。
最後のお経は、「送仏偈(そうぶつげ)」です。
送仏偈は「善導大師(ぜんどうだいし)」の「法事讃(ほうじさん)」から抜粋したお経です。
このような本文です。
「請仏随縁還本国 普散香華心送仏 願仏慈心遥護念 同生相勧尽須来」
意味は、
「極楽浄土へお戻りになられる、阿弥陀様をはじめとした様々な仏様の為に、香を薫じ花を散らして心からお見送りを致します。
お戻りになられてからも、どうか慈悲の心をもって私達をお守りください。
また、先に極楽浄土にいらっしゃるご先祖様、どうか私達をその極楽浄土へとお導きください。」
日常勤行式のお話④で、阿弥陀様をはじめとした仏様をお迎え致しましたが、その仏様方にお戻り頂くためのお経が送仏偈です。
まずは、来ていただいた時と同じように心を込めて阿弥陀様方をお見送り致します。
もちろん、阿弥陀様方は極楽浄土にお戻りになられてからも、私達をお見守りしてくださいます。
そして、極楽浄土には仏様だけでなく、私たちのご先祖様もいらっしゃいます。
そのご先祖様にもお力をお借り出来るようにとの気持ちも、送仏偈には込められています。
仏様をお送りした後は、また極楽からお見守り頂けるように、さらにはその極楽にいるご先祖様のお力もお借りできるように、送仏偈をお称え致しましょう。