日常勤行式のお話⑯～総回向偈～

今回は、「総回向偈（そうえこうげ）」についてお話をしたいと思います。

総回向偈は、中国の「善導大師（ぜんどうだいし）」という方の、「観無量誦経疏（かんむりょうじゅきょうしょ）」という書物から引用されています。

このようなお経です。

「願以此功徳がんにしくどく　平等施一切びょうどうせいっさい　同発菩提心どうほつぼだいしん　往生安楽国おうじょうあんらっこく」

意味は、

「修めた功徳の全てを、ご縁のあるなしに関係なく全ての人々に施し、その方々と共に、極楽を目指す心をおこして、極楽に往生したいと願います。」

という意味です。

ここまでの日常勤行式で、お念仏とお経で極楽に行くための功徳を積んできました。

この総回向偈は、その功徳を自分自身やご先祖様の為だけでなく、ご縁のあるなしに関わらず世界中の人々に分け与える為のお経です。

その功徳によって、あらゆる人々に極楽とのご縁、お念仏とのご縁を結ぶきっかけが生まれます。

それは、私達がお念仏に出会えたのも誰かのお陰という事です。

私達が誰かのおかげでお念仏に出会えたからこそ、私達もあらゆる人々の往生を願うために総回向偈をお称えしましょう。